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第28話 怪異の始まり②

ผู้เขียน: 来須みかん
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-03-16 20:39:14

穂香の目の前に文字が現れる。

【同日 放課後/生徒会室?】

(生徒会室のあとに「?」がついてる……。そういえば、前に穴織くんが化け物退治していたときも、場所が「???」になっていたような? もしかしたら、扉が開かないのは化け物の仕業かもしれない)

そうだとしたら、どれほど力を込めてもこの扉は開かない。

穂香は、廊下にいるレンに声をかけた。

「レン、穴織くんをここに連れてきてほしい」

「分かりました」

すぐにレンの足音が遠ざかっていく。

生徒会長に「あなおりくんって?」と尋ねられたので、穂香は「あ、えっと、同じクラスの男子で、すごく力が強いんです」と誤魔化す。

「そう。じゃあ、その子が来るまで待ってみようか」

穂香が改めて室内を見回すと、生徒会室は教室を半分に切ったような広さだった。勉強机の代わりに、折り畳み式の長机と、パイプ椅子が数脚置かれている。

「あの、こんなときに、申し訳ないんですが……」

穂香は手に持っていたプリントを、生徒会長に見せた。

「文化祭実行委員の白川です。提出プリントを持って来ました」

「ありがとう。不備がないか確認するね」

王子様スマイルが眩しいくらいに輝いている。穂香にパイプ椅子に座るよう勧めてから、生徒会長は、その場でプリントに目を通した。

「うん、問題ない」

「ありがとうございます」

それきり会話がなくなってしまう。

(どうしよう。仲良くない人と何を話したらいいのか、分からない……)

必死に会話を探した結果、穂香は先ほどの生徒会長の言葉を思い出した。

「そういえば、さっき『君を巻き込んでしまったみたい』的なことを言ってましたよね? あれは、一体?」

生徒会長の顔が、目に見えて強張る。

「うん……ちょっとね」

(聞いてはいけないことだったみたい)

気まずい空気に耐え切れず、穂香は話題を変えた。

「生徒会長以外の役員さんは、いないんですね」

生徒会長の表情がサッと曇る。

(はっ!? しまった、私にはモブキャラが見えないんだった! もし、この生徒会室に他の役員がいたら、私、ものすごくおかしな発言をしたことに……?)

青ざめる穂香に、生徒会長は困ったような笑みを向けた。

「うん、皆それぞれ忙しくてね。今日は僕一人だよ」

「そ、そうなんですね!」

(良かった。たまたま他の役員は、いなかったみたい)

長テーブルの上には、大量のプリントが積み上げられ
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    穴織の姿が見えなくなると、風景が変わる。【同日 夜/自室】(あれ? 次の日まで飛ぶかと思ったら、まだ夜だ。ということは、何かイベントが起こるかも?)しかし、もう夜も遅いので、涼はもちろんのこと、サポートキャラのレンもいない。(私は何をしたらいいの?)部屋の中を見渡すと、机の上におまじないの紙を見つけた。(これ、前に使ったやつだ。おまじないは、この紙を学校のどこかに埋めたら終わりって涼くんが言ってたっけ)ということは、このおまじないは、まだ終わっていないということ。(もしかして……)穂香は使用済みのおまじないの紙を枕の下にもう一度入れた。ベッドに入り、目をつぶるとすぐに意識がまどろんでいく。*【夢の中】教室に、白い制服を着た涼が立っていた。それは、昨日見た夢とまったく同じ光景だった。(やっぱり! このおまじない、まだ終わってなかったんだ!)長い赤髪が風に揺れている。光る武器を持ち佇む涼は、穂香に気がついていない。『来たのか、娘よ。確か名は穂香じゃったかの?』「はい。えっと、あなたは涼くんのおじいさん、ですよね?」『まぁ、そんなものじゃな。おぬしには、特別に【おじいちゃん♡】と呼ばせてやろう』冗談なのか本気なのか分からないので、とりあえず穂香は「あ、ありがとうございます」と返した。「じゃあ、おじいちゃん。涼くんは、どうしたんですか?」

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    「穴織くん、いらっしゃい。ど、どうぞ」「……お邪魔します」脱いだ靴を綺麗にそろえるところに、穴織の育ちの良さがうかがえる。 「私の部屋は2階で……」「あの、白川さん。今、部屋の中に、レンレンがいたような気がしてんけど?」「あ、うん。ちょうど遊びに来ていて……」穴織は「白川さんの、その発言が嘘じゃないことに驚くわ」とため息をついた。「と、言うと?」「だって、白川さんは今日、学校を早退したんやで? 俺も今、抜けてきたところやし…。レンレンがここにおるの、おかしくない?」穴織に嘘はつけない。穂香は本当のことを言うしかなかった。「そのことだけどレンは、登校したら私達が校門で話していて怪しかったから、今日は学校を休んだって言っていて……」「ふーん」こちらに向けられた探るような眼差しがつらい。「わ、私の部屋はこっちだよ」部屋に案内すると、部屋の中からレンが良い笑顔で手を振った。「穴織くん、いらっしゃい」「うぉい!? 白川さんの部屋やのに、自分の部屋のごとく、めっちゃくつろいでるやん!?」穴織からのツッコミを、レンは「穂香さんとは、幼馴染ですので」の一言で片づける。穂香も「本当にレンは、ただの幼馴染で……」と伝えると、穴織に「分かっとる、分かっとるけど……幼馴染って、こんな距離感が普通なん?」ともっともな質問をされてしまった。「さ、さぁ?」

  • 恋愛ゲームの世界から脱出する方法はイケメンからの告白!?   《09番外編》もし、穴織と恋愛していたら⑧

    穴織は「ところで……」と咳払いをする。「さっきも聞いたけど、白川さんは見えないものが見えるだけじゃなくて、ジジィの声も聞こえてるねんな?」探るような視線を向けられた穂香は、素直に「うん」とうなずいた。「え? マジで?」サァと穴織の顔から血の気が引いていく。「俺、なんか変なこと言ってなかった?」「ううん、言ってないよ。でも、穴織くんって何者なの? 嘘が分かるっていってたよね?その『ジジィ?』さんも……」穴織が「あ、あー……」と言いながら困ったように頭をかいた。「うん、まぁ、全部は話されへんけど、話せるところは話すわ。でも、ちょっと待ってほしい。今は、この学校で起こってることを調べなアカンから……」「分かった。私は帰ったほうがいいかな?」「うん、そのほうが助かる! あとで電話するわ」明るい笑顔で手をふる穴織に、穂香が手を振り返すと風景が変わった。【同日 昼/自室】(あっ、学校から家の自室まで飛ばされてる)レンが「おかえりなさい」と微笑んだ。「穂香さん、今日は早かったですね。学校を早退してきたんですか?」「うん。今、学校でおかしなことが起こっていて。って……レンはどうしてここにいるの!?」「登校したら、校門であなたと穴織くんがバラがどうとか言っているのを聞いて、何かヤバそうだなと思い、即、帰宅しました」「……そこは、私のために『サポートしてやるか』的な流れにはならないんだね」

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